仲 町 台 の 家
Nakamachidai House
仲町台の家
片流れ形の白いボックスの中に、広々とした無柱の家族室、コンクリートのキッチンカウンター、薪ストーブ、眺望、ルーフテラス、ビルトインガレージといった要素を詰め込んだ、「大らかな家」である。
家族構成は夫婦と小学生の2人のお子さん。土地探しの頃からのご相談である。出会った敷地は東西に続く丘陵地の尾根部分とでも言うべき所に位置しており、南側には市街化調整区域が広がるため首都圏とは思えない広大な景色が広がる絶好のロケーション。接道する北側道路より敷地は2mほど高く、東西両側には敷地と同時に分譲された宅地が並び、近接して家が建つことが予想された。
庭を広くとるために、地下(=道路レベル)をビルトインガレージとして建物を北側(道路側)に寄せ、上部構造を総2階建てにした。玄関・ガレージ(地下道路面)→家族の共用空間(1階)→寝室・子供室(2階)→ルーフテラス(塔屋)という生活のレイヤーを自然に積み重ねた構成としている。
1階で施主の希望である広い無柱空間を実現するために、構造家は木梁両側に鉄骨梁を添えた合わせ梁を考案し、壁量を確保するために一部の外壁を厚くして耐震壁をダブルで設けるといった対応をしている。スパンが長い(7.2m)ことによる振動が予想されるため、天井面にはクラック対策としてあえて目地を入れた仕上とした。
南北の眺望が充分に得られるように各階に用意している窓は全て木製建具で、無垢のチークの床と珪藻土の壁に包まれた室内に心地よい風が通り抜ける。断熱材の効果と相まって酷暑の夏でも冷房をつけるのは稀であったという嬉しい報告を受けた。
所在地 神奈川県 建築設計 八木建築研究所
主要用途 専用住宅 構造設計 山田憲明構造設計事務所
構造規模 鉄筋コンクリート造+木造 施工 栄港建設
地下1階+地上2階+塔屋 竣工 2014年5月
敷地面積 165.57㎡
延床面積 164.76㎡